7:54
昨夜は、またいっぱい泣いた。悲しみにすっぽりと覆われている。
昨日、夕方の散歩から戻ってくると、ご近所の方々が困り顔で話していた。皆の足元には、見たことのない、ころっとした柴犬が1匹。迷い犬だ。どうしたものかと話し合いに加わり、結果警察に保護してもらうことになった。パトカーが到着するまでの時間、流れで奏くんのことを話した。
彼の死を話すことを、私自身はどう思っているのだろうか。
それは、儀式だ。遺品整理と同じだ。「その死」という、絶対的に受け入れたくない現実を、言葉にして伝える自分(決められた型として感情は抜きで)がいて、それを聞いている自分がいる。言葉にしながら、聞きながら、どこか麻痺した感覚でそれをプロセスする。パラレルワールドかもしれない。
それでも、まるで生きているかのように話すよりはよっぽど楽だ。そんなことは、私はできない。辛すぎるし苦しすぎる。それに嘘をつく気力はさっぱり無い。
だから、結婚指輪を外した。事情を知らない誰かとの間で、その前提で話が展開したりしたら、もう絶対的に嫌だ。
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数日前から、やっと、「静かな時間」を許容できるようになった。
お皿を洗う、料理する、散歩する、運転する。オートパイロットモードに入るときは、いつだってオーディオブックを聞いていた。意識は向けどころを持っておかなければ、暗い底無し沼に引きずり込まれる。一瞬の意識の隙が生まれる余地すら、許容できなかった。心の底から、それを怖れていた。
でも、少しずつ、変わっていっているのだ。季節のように、少しずつ、少しずつ。
「あ、オーディオブック流してなかった」
料理をし始めてから数分が経っていた。再生を確認してからでないと料理を始められなかったのに。そう言えば、運転中に考え事をしていて「ちゃんと考えないとだからちょっと再生を止めよう」っていうこともあった。
今までできなかったことが、いつの間にか、少しずつ、でも自然と、出来るようになってきている。
毎晩泣いて暮らしているけど、どれだけ泣いた夜にも、朝は来る。窓の外には、雲ひとつない青空。鏡の中には、腫れぼったい目をした自分がいるけれど、それでも、ちゃんとお腹はすいて、塩昆布のお茶漬けを食べていたりする。
まとめて冷凍している「お茶碗一杯分」のごはん。なんだか物足りないのか、時にはふたつ食べることもある。「お茶碗一杯分」が、ずいぶんと小さくなっていたことに気がつく。「普通サイズ」へと自然に戻るまで、丸4ヶ月くらいがかかるんだな。
17:44
はーーーーーーー
温泉の件が、気が重すぎる。なんであの時、「箱根行く?」とか思っちゃった&言っちゃったんだろう…。ううう。
「箱根の宿どうなった?」
昨夜の大量の涙は、この言葉から始まる青とのやり取りの最中だった。声を上げて、泣き疲れるまで泣いていた。
たぶん、今、何もしたくない。何も考えたくない。ただでさえ気が重いのに。
なんか、初めてのところに来たかもしれない。
疲れた。なんかもうすごく疲れた。気遣いゼロでOK、じゃない限り、…もう誰にも会いたくないかもしれない。
最近、仕事を少し頑張りすぎてた、というか、気を張りすぎてたかもしれない。難しいなーーー
そう言えば、スナフィにもきつく当たっている気がしてきた。
食欲は今までで1番あるのに…。生理前だなきっと。