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買い物で気持ちを発散しているかもしれない。
あれからしばらくの間は、物欲が全くなかった。
三ヶ月目が終わろうとするここ最近は、「自分のために」と、ルームフレグランスやアロマオイルやメガネやピアスやブリーチや口紅やバスソルトやパジャマやキャンドルやショートブーツやをご購入。
自分のため、自分のため、と。ヤケにでもなったのか。
支払いが恐ろしい。
買い物しているうちにお腹が空いてくる。ご飯どうしよう。そうか、一緒に食べる人のいない家に帰るのか。いや、スナフィがいる。だけれども、どこか、帰る場所がなくなった気がしてしまう。私はこれからどこに、帰ろうというのか。
ベージュの髪色に合わせた同じベージュ系の口紅をいくつか、BAさんに付けてもらう。
Per chi? For whom?
エリザベス・ギルバートの「食べて、祈って、恋をして」の言葉そのままに。
これらはすべて、誰のためなの?
自分のためだ。と、本と同じように、いや、真似して、自分でこたえた。
あんなにお腹が空いてたのに、食欲はもういなくなっていた。
明日はランチの予定が入っている。それに例のプロジェクトもあるし、スナフィの長い散歩もしたい。土曜日はゆっくりして(でも片付けないと)、日曜日、3回目の月命日は、真子ちゃんとお墓参りだ。
そうやって、少し先にある光に向けて顔を上げて、そこに目を向けて、今日を生きている。
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指輪を外すときが、近づいてきている。
信濃町で、初対面のKさんに「ダンナさんは?」なんて万が一何か聞かれたらと思うとざわついて、セーターの袖を目一杯に伸ばして左薬指の指輪を隠していた。数時間の楽しいディナータイム中、きらっと光る指輪にまた袖を伸ばし隠す、を何度繰り返したことか。気疲れに、外すことを考えさせられた。
指輪を外す、だなんて。…この状況が信じられないよ。
もうすぐ、百か日が来る。3ヶ月だ。
仮の位牌はお焚き上げをしてもらい、そこから百か日もすれば祭壇がいなくなる。
12月がもうそこまで来ている。
年末年始、どうしようかな。