21:08
特急の車窓に「順天堂」の文字。カーテンの開いた窓がひとつ。スタンドに点滴。呼吸が消えそうになって、視線を外した。
今日の打ち合わせは、ひどかった。
言葉が出てこない。
うまく話せない。
思考に時間がかかる。
京都・名古屋から戻ってからというもの、毎晩ワインを飲んで、2日で1本を空けている。二日酔いにならずとも、起きぬけから一日シャープさにかける。自分で分かるレベルで、余計に辛くなる。「今日は飲まない」。そう思っていても、夜になると瓶を開けてしまう。
どうしたらこの状態を脱せるだろう。しかも、無理なく。
「それで済んでいるんだったらそれも悪くないのかもしれない」と父は言った。シャープじゃない自分がいる話は、していないのだけど。