16:30
日が伸びた。
16時半。スナフィと近所を歩く。
体調も良くなってきた。というか、軽くなった。数日続いていた謎の耳音、左耳の鼓膜が「ブブブ」と震える音も、今日はしない。きっと「休もう」という身体の声だったのだろう。
天頂の青空は、今まさに沈もうとしているオレンジ色の太陽に向かって美しい夕焼けグラデーション。灰色の雲の縁が、金色に染まる。
最も寒い時期だけれど、最も夜の長い時期は終わった。春に向かっている。
19:22
「本当に辛いのに、零さんが零さんでいてくれて、本当にありがとう」
沙子から届いたメッセージに泣いた。すごく泣いた。
数週間前に、沙子は夢を見たと言う。夢の中の彼女は、まるで私の感情に同調していた。どうしようもできない、やりきれない悲しさに、すっぽりと覆われていた。目が覚めて「こんな気持ちを常にどこかに抱えているんだ」と、朝から涙した。
「私が感じたことで、少しでも零さんの辛さが和らげば良いな。また悲しみに押し潰されそうになったら『エイっ!』てここまで飛ばしてくれたら分け前もらうから!」
泣いた。すごく泣いた。…なんて幸せなんだろう。
目の前には知人から頂いたフラワーアレンジメントに、ペットシッターさんからスナフィへの「お年玉」。明日には梨衣ちゃんが来る。
たくさんの人が、いろんな方向から、手を、愛を、想いを、差し伸べてくれる。
状況は状況だけれど、やっぱり、幸せだと今日も思う。愛されてるって、今日も思える。