21:26
「今回のことの意味が、どうしても、まったく分からなくて…」
人生に起こることのすべてに意味があると思っている、と前置きした彼女の言葉は、なんだか震えているようだった。メッセンジャーに浮かぶ文字だというのに。一ヶ月以上も前のやり取りは、未だに問いを呼び起こしてくる。
生きること死ぬことに、意味なんて、きっと無い。
そこに何を見るか、どんな意味を見出すかは、生きている人がしたいようにすることだ。それはあくまで「誰かの意味付け」の域に留まる。「意味」は、個人の想像/幻想の域を出ない。
24:07
奥底から湧き上がってくる激しい感情。
なんで生きてるんだ
なんで、「ともに歩む」と誓ったふたつの指輪が手中にあるんだ
なんで、ふたり暮らし用の家にひとりなんだ
なにをしてるんだ
どこに向かってるんだ
この湧き上がる感情の塊は何なんだ
名前を呼んで、目を閉じて、その姿を思い浮かべる
いつだって隣にいた
話したい、声が聞きたい、目が見たい、笑ってほしい
いつになったら、ここから出られるんだろう
もういやだ
泣いてばかりで
苦しんでばかりで
悲しんでばかりで
ぐるぐるぐるぐる
まわりつづける
自分が、ここが、もういやだ
どこかに行きたい
もう降りたい
もう忘れたい
もう泣きたくない
もう、忘れたい
一日に、どれだけ思い出すのだ
病室や、ICUや、あの日や、この日や、その最期を
誰か助けてよ
この感じ
どこかに落ちていきそうな、この感じ
なにか方法を見つけないと
なにか、なにか見つけないと
目が覚めて、夢だったらいいのに
もう全部全部、夢だったらいいのに
あの日に戻って
いや、もっと前、もっともっと、もっと、前に戻って
でも
もう
戻ってこないから
現実は変わらないから
私は生きているから
今日も
しっかりしなきゃ
ここから、這い上がんなきゃ