キャタピラスープの1000日 – 喪失から再生への旅路 –

キャタピラスープの1000日

– 喪失から再生への旅路 –

あらすじ

2018年8月1日。健康一筋だった最愛の夫が倒れた。診断は急性大動脈解離。緊急搬送され、8時間の手術が始まった。何が起こっているのかを把握しようとメモを取り始める。1ヶ月の闘病の後、一般病棟へ移る話の出たその夜に容態は急変し、帰らぬ人となる。48歳だった。

あの日、足元が突如崩れ落ち、悲嘆の日々が始まった。

これまでの生き方に大きな疑問符が浮かぶ。価値観は大きく揺らぎ、アイデンティティは溶けていく。社会との関わりを最小限にして引きこもる日々に、気づけば「コクーン(繭)」をつくり始めていた。

様々なグリーフワークや自己癒しを経て価値観と生き方を再構築していく、喪失から再生までの1000日の旅路の記録を元にした、日記形式のフィクションです。慟哭と後悔といった感情の波に溺れたり、生きる歓びに心を震わせたり。毎日の心の揺れがそのままに記されています。

轟音がして、「雷だ」と、スナフィに言った。

Spring has come.

そう。もう前を向いて、この現実を全身全霊で受け止めて、この世で生きている私たちの最善を生きていこう。

2019-03-31 Spring has come