7:53
「2019.04.15」
時計表示が「半年経過」を告げて、マルセル・プルーストが時空を超えて耳元で囁く。
まさに、この半年は新しい「眼」で世界を捉え直した発見の旅であった。
11:08
駅に向かって車を走らせる。
夜中振り続けた雨は、田んぼを一面の湖に変えていた。雨上がりの青空が湖に映って、車は空を飛んでいた。終わりかけの桜の花びらが、はらはらと風に舞った。
遠く一台のトラクターが、カタツムリのように動く。田植えの季節が始まる。
季節が巡る。風景は、地球スケールで変化を続ける。
線路を越えて、街の風景。季節は区画に狭められて、だけども生命力でその枠を越えてゆかんとする。けれども、街の風景はさほど変化がない。
稲作だって人口の風景だけれども、植物が多くを占めているその風景には、季節によるダイナミズムがある。
ここに暮らすのが好きだ。