18:34
奏くんBotを作りたい。
彼の言葉がランダムに自動投稿されるボット(Bot)アカウント。Twitterを開けば、呟きの向こう側で彼の存在が手を振る。小さなトリック、少しの偶然。それが私の、せめて手の届くだろう、欲しいものだ。
今日は1日良く働いた。結果も出して、早く帰って来れた。
こんな夜には。
冷蔵庫を開ける。美しい緑色にシルバーの缶が光る。彼の好きだった、COEDO「毬花」に手を伸ばす。
こんな夜には、
あなたがいてくれたらいいのに。
20:45
「何のために生きているのか」
とか、決して思わないようにしてきた。なのに、ふとした瞬間にぽんと浮かんでくる。ひどい。 姿現した瞬間に動けるよう、見張りは欠かせない。現れれば瞬殺。No entry。ダメ、絶対。早ければ「何」くらいで、初動遅れてもせいぜい「生」までには瞬殺(と言うには遅れてるが)する。ふぅ、危なかったぜ。
この半年間、そうやって過ごしてきた。
生きていることに意味なんか問いはじめたら、苦しくなるだけだから。絶望しそうになるだけだから。
秋口のパイナップルジュースに白い雲が乗ったような「毬花」を飲んで、ニケツを見て笑う。フルーティーな笑い声に、元気になった気がした。
結局のところ、ひとりで、ちゃんとやっていくしかないのだ。それしか、ないのだから。
「何のために生きているのか」
頭のなか、ふわっと自然に、そう呟いていた。最後の「か」まで、フルで聞こえた。
あ。
とうとう全貌を見せたその問い。
瞬きをしながら、浮かんだそれを、その姿を、見上げていた。
漂うそれは、いつか薄れて、霧のようにすうっと消えていく。
だけど今夜はころさずに、現れ消えゆくその様を、瞬きと呼吸の間でただ見つめていた。