8ヶ月目

春の嵐

14:15

窓の外は、春の嵐。数日続く嵐は、日々その寒さを取り払っていく。

心の内は、続く嵐。辛さ不安が吹き荒れて、疲弊しながら耐え忍ぶ。

疲れを溜めないことだ。疲れ切った身体を休めようにもこの家は、喪失の重みに風通しも悪く、停滞の極み。抜ける風も癒す光も入らず、疲労困憊の身には堪える。重くなる身体とともに、心も一層沈んでいく。

今日は、ただゆっくりしよう。料理したり、ご飯を食べて、ただゆっくりする方向にしよう。

嵐が、早く過ぎ去ることを願っている。光や風の届くところへ、早く浮き上がりたい。

春の息吹に、湧き上がる生命の力。緩む空気。

なんで、なんで、って。叫びたい。壊したい。放出できない衝動が、喉元まで上がってくる。

16:03

耐えている。ただひたすらに、耐えている。

So overwhelmed. どうしたら良いのか、正直全く分からない。

この家にひとりでいることが堪える。どこか違う所に生活を移したほうが良いのかもしれない。ただひたすらに悲しくて、涙が止まらない。誰にも分からない。誰にも言えない。アドバイスなんて出来ない。自分で決めないといけない。誰か助けてって、また心のなかで叫んでいる。どうやって外に出して良いのか分からない。

奏くん、奏くん、奏くん。戻って来て欲しいよ。そしたら、ふたり幸せに暮らして行けるよう、今度は上手くやれるから。

夢でなら会える。だからずっとずっとずっと、もうずっと、眠っていたい。

22:22

涙落ちる 音バリエーション
カウチ スウェット フローリング
頬から顎から目の縁から
泣いてばかり あなたに会いたい
ぽたぽたぽたと カウチの音
あなたに会いたい 水の中
カエルが数匹 鳴いている
季節は 進む まだここなのに

神さま、

奏くんに会いたいです。

会わせてください、お願いします。

…せめて、奏くんの夢が見たいです。朝が来て目が覚めるまででもいいから。お願いします、せめて、どうか、どうか夢で会わせてください。

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