12:09
土手の主役が、つくしからたんぽぽに変わる。もうすぐ奏くんの誕生日だ。
11の歳の差は、ここから詰まっていく一方。そしていつかは、その年を追い越すことになる(はずだ)。
桜はもうすぐ、満開を迎える。
19:29
轟音がして、「雷だ」と、スナフィに言った。
Spring has come.
そう。もう前を向いて、この現実を全身全霊で受け止めて、この世で生きている私たちの最善を生きていこう。
22:02
森公園は、春だった。スミレが咲き、木々の新芽があちらこちらで芽吹いている。1時間半ほどかけて春を満喫しながら歩く。もう何周目かわからない、Eat Pray Love を聴きながら。すっかり歩き疲れたスナフィは帰りの車でぐっすりと眠っていた。
春を食べたくなり、産直に立ち寄る。奏くんと私にと、薄いピンクのシンビジウムを買い、ウドとサラダほうれん草を買った。ウドは、中心部分を長めのアク抜きのみの処理で生で酢味噌和えに、皮と新芽の部分はニンニクと鷹の爪とオリーブオイル、それに塩胡椒でペペロンチーノ風に炒めた。義母の作ったおいなりさんと煮物を合わせて、サラダほうれん草とビールで夕飯にする。
自然の中の散歩と、旬の野菜を鮮度良く食べられる、というこの2つが、私の人生になくてはならないものだ。
遠くから聞こえる、カエルの鳴き声。雨は上がったようだ。ここ最近は鳥も良くさえずるようになり、虫も飛んでクモも巣を張る。生命エネルギーが日に日に立ち上がってくるのを、日々感じている。
そんななかで毎日、未だに、…。もはや、引っ越したりしたほうが楽だろうなとか思ったりもする。こともある。
3月が、終わる。
明日で、彼がこの家からいなくなって7ヶ月。この世からいなくなって、半年。