7ヶ月目

ひとりぼっちのあいつ

10:39

田起こしされたばかりの土が雨水を含み、田んぼは黒々と力強さを感じさせる。

畦道を颯爽と歩いていく、白い姿を見つけた。

ひとりぼっちのあいつ。

少し汚れた美しい筋肉質の体躯は、いつもひとり颯爽と歩く。奏くんが呼び始めたその名前は彼にぴったりだった。

ひとりぼっちのあいつを、二階の窓から眺めていた。

憧れ。

ひとりで生きるその姿に、私は今日も、憧れの混じった熱で見つめている。

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