19:03
弱音を吐けるのなら。
もう一度
神さま、もう一度
やり直すチャンスをください
今度は、もっとうまくできるから
健康に気を使って、仕事だけじゃなくて、家のことにも、彼のことにも、心と時間を注いで、もっともっと、もっと、うまくやるから
だからお願い、奏くんを、お願いだから、ここに返してください
もっと、幸せにできるから
もっと、幸せにしたいから
お願いします
時折襲う、周りの物すべてを壊したい衝動。実行したとて、何にもならないってわかってる。苦しくて、息を吐き出してみる。でも、「それ」は出ない。決して出し切れはしない。
神さま
彼を返して
マッチを擦ってお香を炊く。白檀の香りが、煙が、空へ上がっていく。ここが見つけられる?どうしたら、届くんだろう。どうしたら、繋がれるんだろう。どうしたら。
21:25
頭が痛くなるまで飲んで、メイクもボロボロ、顔も腫れて、ティッシュの山。
ただ泣いてたって、なんにもならない、どこにもいかないって、わかっているのに。飲んでしまえば泣き潰れちゃうって、わかっているのに。こんな自分、情けないって、思っているのに。
でも、家族や友達の前では、こんなふうに泣くことはできない。ひとりであれば、こうして泣き潰れることができる。
スナフィと目が合う。いつだって側にいてくれるスナフィ。抱き寄せて、しばしじっとする。
顔、洗わなきゃ。涙の塩分は、肌に良くない。
もうずっと、眠っていられたらいいのに。もうずっと、夢で、会える可能性がある世界で、生きていられたらいいのに。
会いたい。抱きつきたい。抱きしめてほしい。私を見てほしい。声を聞きたい。声で包んでほしい。名前を呼んでほしい。手を握ってほしい。触りたい。背中に抱きつきたい。顔に触れたい。見つめたい。キスをしたい。髪を触りたい。笑っている顔が見たい。触れさせて。感じさせて。
でも、こんなに泣いてばかりでもしょうがないじゃん。
顔、洗おう。歯を、磨こう。寝る準備をしよう。
Tomorrow is another day.