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遅く起きて紀亜とごはんを食べ、童話館を囲む散歩コースに沿って池の周囲をスナフィと歩いた。
雪に閉ざされる冬を目前にした森の美しさに、雲ひとつない晴天から光が指す中で写真を撮る時間。心の奥底から湧き上がる楽しさに集中していた。しかし途中でまさかの電池切れ。まじか。フィルムの予備はあるというのに。くぅ。備えよ常に。次からはバッテリーの予備も持ってこよう。
ファインダーから覗くは妙高山。遠くに赤倉観光の赤い屋根と白い建物が見える。いつかの奏くんも、いつかの私たちも。ま、もう電池は切れてるけど。
おまえは自分の知らないものにかんして存在を認めません。そしてファンタジーなど現実ではないと思うのです。でも未来の世界はファンタジーからしか育ちません。私たちはみずから創造するもののなかでこそ、自由な人間になるのです。
サーカス物語より