21:46
開業届の控えを探す。見つからない時間とともに、胸の苦しさが増していく。
フリーランスのグラフィックデザイナーだった奏くん。できるだけ一緒にいたくて、私も開業届を書きフリーランスになった。
それから8年。有り難いことに今日までなんとかやって来れたというのに、その起点は失われてしまった。
暮らしのなかに、悲しみの地雷は幾多にも埋まっている。
22:42
ずいぶんと、ひとりごとが多くなったな。
24:56
ひとはひとりで生きていく
そして、ひとりで死んでいく
そのとき、
孤独じゃなかっただろうか
寂しさに打ちひしがれてはなかっただろうか
仕方がない、どうしようもない、そういうものだからと
そう分かりながらも
ひとりで逝かせてしまったことが
ただひたすらに苦しい
せめて
せめて
せめて
側にいてあげたかった
せめて
さいごのさいごまで
さいごの果てのその地まで
あなたの側で
触れて、声をかけ、抱きしめて
側にいてあげたかった
ひとりになんてしたくなかった
いま、どこにいるの
あなたを探しに、途方も無い旅に出よう
目を閉じる
内なるあなたを、感じたい
お願いだから
もうこれ以上
あなたの記憶を薄れさせないで
.
それでも。
泣き崩れたり、泣きわめいたり、泣き尽くしたりを、ここ一週間はしていない。
時が、流れている。
季節はふたつ分も進んで、
もうすぐ、冬がくる。