3ヶ月目

2018/11/14 良き理解者

19:54

打ち合わせが終わり、東京駅から出るバスで家路につく。

バスでの家路は辛さを纏う。

「零、手をつなごう」

あの日の青の言葉に、あの日が今と混じり合う。

青の小さな手。その温もり。車窓を流れる夜景のその先を、眺めるともなく眺めていた。次から次に涙が流れ、その流れるにまかせていた。駅に到着するまでの一時間。ふたりの間には、ひとつの言葉もなかった。

いつか、この内臓を鷲掴みにされるような苦しみが痛みが、薄れる時が来るのだろうか。

もうこんなに泣きたくないんだ。

どんなに泣き崩れたって、どんなに後悔したって、どんなに落ち込んだって、現実はなにも変わらない。

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良き理解者、いや、最高の理解者を失った。

…でも。

失っていないかもしれない。

自分が心から愛し尊敬し信じている奏くん。その人が、私を理解してくれ、尊敬してくれ、大事にしてくれ、そして愛してくれた。その事実は、今なお失われてはいない。

今の私は、あの頃よりも強くしなやかに、人として気持ちの良い状態へと変わってきている。

私自身が、自分の良き理解者になれるはずだ。

自らが一番の理解者となり、その上で、他にも良い理解者を得られればなんと幸せなことだろう。

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愛すれば愛するほど、いつかくる別れが怖い。想像しただけですでに怖い。

でも、そういうものなのだから。

それを知った上で愛することと、それなしで愛することは、きっと全く違うのだろう。

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