20:09
隆と夜ご飯を食べていた。
「でも、毎日泣いてるよ」
そう言葉にしたら、急に涙が溢れた。隆が抱きしめてくれて、その腕の中でしばらく泣いた。その感触は、奏くんのそれとはまた違うものだった。
思いを思ったままに行動に移す弟に、いつも、とても、救われている。
24:12
森公園で1時間ほど散歩をした。チキンバーガーを食べて、庭の雑草を一緒に抜いてくれた。隆には本当に、感謝しかない。
「ここ数週間、けっこう泣いている」
隆がそう言った。
「もちろん、奏さんともっと話したかった、会いたかった、という思いはある。けど、彼女に言われて、私に対する想いで泣いている、ということが分かった。」
私(姉)が、これだけみんなに愛されていて良かった、と言うことと、私の身に起こったこと自体への涙。
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奏くんが倒れてから共にした8月の1ヶ月をギフトだと思ったように、死別と言うこの出来事も、最終的には「ギフト」と思えるようにになると良いな。