病院での1ヶ月

「今日はひま」

今日は終日仕事。

出張も多く激務だった7月。8月は一度休んでゆっくり過ごそうと、引き受けるプロジェクトを少数に絞っていたのが幸いして、面会時間を最大限に活用して奏くんの側にいることができていた。

しかし。もうすぐ一ヶ月になる。フリーランスは、仕事量と収入が直結している。奏くんも回復してきたから、仕事量を少しずつ戻していかないと。

目の前にある仕事。頭の中にいる奏くん。現実が2つあるみたいだ。病院でなくここにいて、奏くんの側でなく仕事の側にいて、「いいのかな…」なんて思ってしまう。心がなんだか、半分くらいはここにあらず。会いに行きたい。でも、仕方がない。

14時23分。

一通のLineが来る。

「 今日はどんな?こちらはひま」(原文ママ)

奏くんからLine!おーーー!(感激)

喜びをステッカーで表現してると、

「今日はひま」

とたたみかけてくる。木曜日か。透析も無い。確かに。

「今Joshと沙子のとこで仕事中だよ〜」と返信すると

「オッケー」

このままLineを続けたい。電話しちゃいたい。が、もうすぐ出ないと次の打ち合わせに間に合わない。

夜にワークショップがありその準備をしていること、奏くんのことをいつも考えていることを伝えた。

20時にもLineがくる。「ありがとうおやすみー」

お見舞いに行ったお義母さんから電話がある。

念願の普通食デビュー。サワラにトマトソースをかけたもの(完食)、ひじき(あまり食べず)、オレンジ半分(ぺろり&「もっと食べたい」)。

昨日あれだけ食べたがっていたフルーツ。本当に良かった!

「茉奈ちゃんが来てくれて嬉しかった」と奏くんが言っていたこと、そして、「来週には立てるかも」という嬉しすぎる見通しも教えてくれた。

Lineできるようになったのは大きい。離れていても、意思疎通が取れるようになったということだ。普通食が食べれるようになり、来週には立てるかもしれない。

毎日、着実に回復が進んでいく。嬉しくて震える。

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